次期経営者、幹部教育

 企業はゴーイングコンサーン(going concern)でなければなりません。経営者だけでなく、職場で働く従業員そのご家族、取引先、仕入れ先、支援者、金融機関等多くの方々のご支援で成り立っています。企業年齢が長いほど、色々な人々との出会いがあり、助け合いが企業の歴史となっています。

 企業が継続するためには、リーダーである次期経営者及びスタッフの経営幹部が優秀であることが求められます。なぜなら、企業が存続するためには競争に勝たなければならないからです。


次期経営者支援

 次期経営者は、創業社長とは違います。創業者はカリスマ性を持っていることが多いですが、次期経営者にはありません。創業者は、事業を起こし、困難に打ち勝ち、強い信念で事業を進めてきており、時には人を蹴散らし、強引な事も行っているかもしれません。しかし、次期経営者は経営を引き継ぐ立場であり、創業者のようなことを最初から行うことは不可能です。しかし、経営を引き継ぎ、色々な経験をして従業員からも信頼され、経営に対する自信が出来てくるとカリスマ性が生まれてきます。

 

次期経営者に必要な要素

神輿をかつぐ

 次期経営者に必要な要素は、謙虚な姿勢(細心の注意)、たゆまぬ努力、聞く耳を持つことです。

経営者になって上から指図しないといけないと思いがちですが、経営者として従業員の皆さまから担いでいただく必要があるのです。自分一人では会社を動かすことは出来ないのです。

人に認めてもらうように、努力し、色々な意見を聞き、細心の注意をはらって意思決定を行う必要があるのです。

次期経営者は、成果を焦ってはいけません。先ずは、担いでもらえるように努力することが重要なのです。

会社を運営する上で必要な能力は、経営力人間力です。

経営力が重要

『経 営 力』

経営を行うには全体を見る目(鳥瞰)考え抜く力(地頭)意思決定する(度胸)、経営者としての基礎知識が必要となります。

全体を見る目(鳥瞰):

社外、社内の状態を鳥瞰図のように上から見渡す目が必要です。第三者の視点も必要です。専門家のアドバイス、お客様の声、クレーム等も重要です。

考え抜く力(地頭):

事業が成功する主な要因は、事業プランが考え抜かれているかどうかです。色々な情報を集め、色々な角度で考え、他社と違うプランを作りぬくことが生き残る最善の策です。そのためには、考える地頭を鍛えることが重要です。

意思決定する(度胸):

経営者の仕事は「意思決定」することに尽きます。最後に決めるのが経営者なのです。経営者の意思決定により企業のすべてが決まります。意思決定する時には、決定するための材料は全て揃っていることはありません。不完全な情報の下で、考え抜いて判断することが求められます。そのための度胸が必要となります。意思決定に重要となるのが決定するための「ものさし」です。「ものさし」となるのが、経営理念、経営方針です。

経営者としての基礎知識

 

経営者としての基礎知識:

 経営者として、最低限の基礎知識は必要です。

①事業計画の策定(ビジョンの策定、ビジョンを実現するための事業戦略の策定、事業戦略を具体的に行動に落とした事業計画の策定)

②社内を運営するための組織管理(営業、製造、仕入れ、配送、会計処理)

③資金管理(資金繰り、借入、補助金・助成金、財務管理、税務)

④人材管理(特に企業成長には必須の人材の育成、労務管理、採用等)

⑤情報管理(経営・事業に必要な社内外の情報管理、セキュリティ管理等)

どのような事業も、成長→安定→成熟→衰退→撤退と進んでいきます。安定時期、成熟時期をどれだけ長く伸ばすかが重要となります。

 今後、中小企業の次期経営者にとって必要な基礎知識は、IT技術に関する知識です。中小企業と大手企業との大きな違いにIT活用があります。IT活用により、新たな販売ルートを確立したり、新たな連携先が出来たりして、新商品の開発に繋がって成功している事例が多く報告されています。IT活用は色々な局面で利用されており、最近の人工知能(AI)の活用も検討段階に入ってきています。

 最後に、常に心掛けることは「変化への対応」です。

経営学の知識があるから、経営が出来るのではありません。そのことを心にとめて、日々の業務の中で、変化を予測し、準備し、積極的に対応することが重要です。他社よりも早く準備し、対応することが経営の定石です。

人間力

『人 間 力』

 原因は自分にあり。兎角、経営がうまくいかない時、自分以外に責任をもっていきたくなる。しかし、うまくいかない原因は、自分の姿勢、行動にあることがほとんどです。また、部下の失敗に対しても、自分の指導、アドバイスが不十分だったと思える謙虚な姿勢が大切です。

 自分で出来ることはそれほど多くありません。だから、人を雇って仕事を行ってもらっているわけです。感謝する気持ちをもつことが、自分のために時間を使ってくれている従業員と気持ちをつなぐことになります。また、能力、性格だけで人を判断してはいけません。

 経営者は常に決断する準備が必要です。そのためには、色々な人の意見を聞き、世間の情報を集めることが必要です。特に、身近な人、例えば、従業員、取引先より日々、周知を集める努力が必要です。色々なアドバイスが、決断する時の確信となります。

 最後に、あきらめない気持ちが大切です。事業を成功するためには何回となく失敗の危機が訪れます。失敗するか、成功するかは指導者のあきらめない気持ちです。すなわち、指導者の気持ちで決まるのです。そのためには、熱意をもって体当たることが重要です。健康を維持し、気力を養う努力が必要です。 また、経営は、売上ではありません。世間に認めてもらうことです。信用を築くことです。日々、自省する姿勢が必要であり、精進していくことが人間力を高めることになります。

進め方

守破離で進める

  次期経営者の行動の進め方は「守破離」で進めることが秘訣です。

 次期経営者は、経営者としては半人前である方が大半であり、先ずは先代経営者の経営を学ぶことから進めることです。すぐに、自分の思うように進めようとしてはだめです。また、子供が次期経営者となる場合はなおさらです。焦らず我慢強く進めることが重要です。新たな事を行う場合は、なおさら従業員のコンセンサスを取ることに注意する必要があります。

  守破離(しゅはり)とは、茶道、武道、芸術における師弟関係のあり方です。最初は、師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まります。「型」が出来るようになった後、その型を自分なりに研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることが出来るようになり、既存の型を「破る」ことができます。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上で、自分自身と技についてさらに追及し、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができます。新たな流派が生まれるのはこのためです。
 経営においても同じです。先代経営者の経営手法を自分のものとし、その後、変化への対応を自分なりに工夫して経営を進めることが重要であり、先代経営者の経営を始めから否定することは、周りのスタッフ、関係先も混乱を起こし、支持を得ることができなくなります。一時的に、成功しても継続することが出来ません。企業経営は「継続する」ことです。そのことに心に刻んで仕事に取り組むことが大切です。経営者には、「経営力」「人間力」が必要であり、特にこれからの次期経営者には「情報活用力」を身に着けることが求められます。


次期経営者 養成コース


1.無料相談

無料相談

初回 2時間程度を目処に紹介させていただきます。

 次期経営者の育成でお悩みのお客さまには、初回 2時間程度を目処に、お話をお伺いさせて頂きます。

 次期経営者・経営者候補の方に、本当に経営を引き継ぐ覚悟があるのかを判断させていただきます。どのような企業でも良いところがあれば悪いところ(今後改善しないといけないところ)があります。次期経営者・経営者候補の方は、悪いところが大きく見えて、良いところを過小評価されることが多いです。経営を続けると良い時期も悪い時期もありものです。よく、我社は『斜陽産業』なのでダメです。と言われることが多いですが、どのような業界でも勝ち組負け組があります。どちらの組に入りたいかは、経営者の気持ちです。次期経営者に方は、腹を決めていただくことが重要です。先ずは、その部分をお話しします。


2.「経営力」を身に着けるコース

事業価値を高める経営レポート

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キャッシュフロー経営

5日コース

 報酬:25万円~30万円 (税別)

 次期経営者にとって、まず重要なことは、「経営力」を身に着けることです。経営力で重要なのは経営全体を見渡して、今後の進むべき方向性を示すことです。

 

1.事業価値を高める経営レポート(3日)

 まず、経営全般を見渡し、進むべき方向を検討します。自社の持っている経営資源を把握し、自社の特徴を認識する必要があります。知的資産経営手法(詳細)を利用して「事業価値を高める経営レポート」を作成していただきます。およそ、1、2ヶ月かけて3回程度のセッションにて経営レポートの作成を行います。

 本レポート作成は、次期経営者のみによる作成も良いのですが、作成した経営レポートを実践するためには、次期幹部候補も参加して作成することをおすすめします。

2.キャッシュフロー経営(2日)

 次に、重要なことは経営者としての基礎知識の中で、資金の流れを理解することです。経営を行っていく上で、資金の確保がとても重要です。日々の事業活動において、資金がどのように流れているか、無駄な流れは無いのか、資金は有効に利用され、利益を生んでいるのかを学んでいただきます。

 経営者として、日々の経営状態(近くを見る目)をキャッシュフロー経営で管理し、会社の将来(遠くを見渡す目)を経営レポートで管理する能力を身に着けていただきます。 


3.「人間力」・「情報活用力」を身に着けるコース

 「人間力」を養成には、上記で作成した「経営レポート」の実践を通して身に着けていただきます。

「経営レポート」を実現するために、事業計画を作成します。誰が、いつまでに、何をやるのか、を決めていきます。詳細計画を立て、人選し、予算を確保し、実践するこの一連の活動をスムーズに進める能力を高めていく中で、従業員や取引先から信頼され、経営者として成長していくことができます。そのためのご支援を行わせていただきます。また、月々の進捗会議に参加させていただき、一緒に問題を考え、対策の検討を行わせていただきます。

 

 「情報活用力」の養成には、情報発信力を高めることがとても重要です。若手経営者が、IT技術を利用して情報発信力を高めて、既存の事業を立て直しています。例えば、工具の卸業がネット販売により、廃業寸前から奇跡の生還を遂げていたり、つっかえ棒メーカーがWeb技術を利用して新たな事業展開を行っていたりしております。次期経営者が率先して自分で発信する能力を身に着けることが重要です。初めから、HP製作会社に丸投げしても思うように成果はあがりません。自分が体験し、実践することが重要です。情報発信においてご支援を行います。また、社内の生産性の向上、技術の伝承、社員間連携の向上にIT技術が有効であり、IT技術の導入においてもご支援を行います。

 本コースは、基本的に1年間の顧問契約を結ばさせていただきます。月1~2回訪問(内1回は進捗会議に参加)させていただき、「経営レポート」の進捗をご支援します。また、「情報活用力」の向上のアドバイスを行わせていただきます。事業は常に見直し、さらなるチャレンジを行っていく必要があります。たゆまないチャレンジが競争に勝つための唯一の策です。そのための経営力、人間力、情報活用力を身に着けていただくご支援をさせていただきます。

企業・事業の成長プロセス
企業・事業の成長プロセス

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情報活用力

月に1回から2回の訪問

顧問料:5万円/月~15万円/月(税別)

 



幹部社員教育

幹部社員教育

 幹部社員(特に、次期経営者の経営スタッフ)において、大切なことは提言力、巻き込む力(調整能力)、心構えです。

幹部社員は、経営者と共に会社の経営、組織の運営を担っていく必要があり、職場における実施責任者として他の社員に指示を出していく必要があります。

 まず、経営スタッフとして、経営に関して「提言」を行う能力が必要です。実施責任者として、職場の状況を踏まえ、協業他者の状況をサーチし、業界・社会の流れを読みながら、経営者に提言することが求められます。

また、「提言」したことを実行するために、関係する人と調整し、周りの人を巻き込んでいく能力が求められます。計画を実施し、成功裏に終われるまで周りとの調整能力はとっても重要です。経営資源の少ない中小企業において、新たな事を実施することは大きな負担となります。参加するメンバーのモチベーションを高め実行していく必要があります。

幹部社員の心構え

 次に心構えですが、経営者を補佐する立場である心構えと、職場の実施責任者としてメンバーを引っ張っていく心構えが必要です。

○経営者を補佐する心構え

 幹部社員は、経営のスタッフとして経営者と一緒に経営の責任を負います。また、経営者の補佐役であり、経営者が決める方向性を推し進める責任者です。

 経営者とは時には意見が合わないこともあると思います。その場合はとことん話し合う覚悟が必要です。経営者は意思決定の最終責任者として会社の方向性を決める覚悟をしておられます。時には、本音を聞くことが難しい時もあります。しかし、幹部社員は経営者の補佐役です、経営者の思いを実現するために努力する心構えが必要です。時間が経つと、経営者の考えが解ってくるようになってきます。「補佐道」に徹して行動することは幹部社員を育て、経営者の無くてはならない片腕となります。

 

○職場の責任者としての心構え

 幹部社員は、単なるリーダーではありません。各セクションのリーダーを束ねる責任者です。各セクションのリーダーを思う存分能力を発揮できるように環境を作る必要があります。また、リーダー間、メンバー間の潤滑油となり、組織の全体力を高める努力が必要です。そのためには、日々の学習、たゆまない努力、忍耐、謙虚な姿勢が必要です。


幹部社員 養成コース


1.無料相談

無料相談

初回 2時間程度を目処に紹介させていただきます。

 幹部社員の育成をお考えのお客さまには、初回 2時間程度を目処に、お話をお伺いさせて頂きます。

 お客様により、お求めのニーズが違いますのでお話をお伺いしてカリキュラムを作成させていただきます。幹部社員の連携を強化し、育成する上で最も良いカリキュラムは、現在の会社の状況を把握し、問題を理解し、会社の課題を見つけ出し、課題解決の方法を計画することです。そのためには、自社の強みを把握することが重要です。課題解決には、自社の強みを生かして解決することが有効な手段だからです。

また、スポット的に、事業を進める上で必要な基礎知識(事業計画、営業戦略、財務分析、情報活用、社員教育・人事管理等)の教育支援を行うことも出来ます。


2.幹部社員養成研修(経営改善提言書作成研修)

事業価値を高める経営レポート

(※クリックすると拡大します。)

3日コース

 報酬:25万円~30万円 (税別)

 幹部社員に、会社の状況を把握し、問題を理解し、会社の課題を見つけ出し、課題解決の方法を計画し経営者に「提言する」プロセスを学んでいただきます。幹部社員でグループを作成し「事業価値を高める経営レポート」を作成していただきます。研修の中では座学として、幹部社員としての心構え、事業を進める上での基礎知識の中から財務管理(損益計算書)・分析(損益分岐点)を学んでいただきます。

 知的資産経営手法(詳細)を利用した「事業価値を高める経営レポート」のワークシートを利用して、経営全般を見渡し、進むべき方向を検討していただきます。自社の持っている経営資源を把握し、自社の特徴を認識する必要があり、自社の強みを生かした「尖がる経営レポート」を目指していただきます。尖がる経営が他社との差別化となります。

 本研修は3日で行います。座学研修と「経営レポート」を作成するグループ研修となります。最終日には、作成した「経営レポート」を発表していただき「提言書」とします。


3.幹部社員養成研修(新規事業開発研修)

ビジネスモデルキャンパス

図解:ビジネスモデルジェネレーション

(※クリックすると拡大します。)

3日コース

 報酬:25万円~30万円 (税別)

 上記の「経営改善提言書作成研修」とは違い、幹部社員に新規事業を考えていただく研修です。時代の流れの中で、既存の事業を改善するだけでは対応できない場合があり、新たな業態を考えたり、既存の経営資源を利用して新規事業を行ったり、新市場に進出する必要が出てきます。

 顧客のニーズを第一に考え、潜在的な顧客ニーズを掘り出し、ビジネスモデルを作成する必要がでてきます。ワークシートを利用して、グループで新規事業のビジネスモデルを考えていただきます。

 研修の中では座学として、幹部社員としての心構え、事業を進める上での基礎知識の中から財務管理(損益計算書)・分析(損益分岐点)を学んでいただきます。

 本研修は3日で行います。座学研修と「新規ビジネスモデル」を作成するグループ研修となります。最終日には、作成した「ビジネスモデル」を発表していただきます。


 次期経営者養成コース、幹部社員養成コースとも、記載しています研修はサンプルです。お客様のニーズに合わせて、内容、日程、金額を調整させていただきます。上記以外にも、新任管理者研修、リーダー研修、営業研修、新入社員研修等も行っています。研修でお悩みのお客様は気軽にお声をおかけください。


企業の成長は、そこで働く人の成長です!